Casual Duel Consideration

遊戯王のカジュアル環境やデュエル動画についての考察記事を書いてます。

カジュアル・デュエルにおいて嫌われるカードとそうでないカードの違い

こんばんは、レオオオオオです。

今日も元気に遊戯王を考察していきたいと思います。

 

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今日のテーマは、カジュアル環境においては特に身近な話題であると思われる「嫌われやすいカード」についてです。

デュエル動画のコメントで「○○(カード名)つまらない・寒い」等と言われるカードや、カジュアルのオフ会で使うと場の空気が重くなるカードというのはいつの時代も一定数存在すると思います。

代表的なものとして《エフェクト・ヴェーラー》《奈落の落とし穴》《強制脱出装置》等を始めとする妨害・ピン除去や、《真炎の爆発》《ダーク・アームド・ドラゴン》《大天使クリスティア》のようなカードパワーが高いものやメタ効果を持つものなどが挙げられると思います。

では、なぜこれらのカードは敬遠されがちなのでしょうか、まずはそこから見ていきたいと思います。

 

嫌われるカードの傾向

嫌われる傾向にあるカードには、大きく2種類のタイプが存在すると思います。

上記のカードで言えば《エフェクト・ヴェーラー》《奈落の落とし穴》《強制脱出装置》《大天使クリスティア》の4枚と《真炎の爆発》《ダーク・アームド・ドラゴン》の2枚は違う種類であると言えるでしょう。

前者4枚の性質は「モンスターの効果使用・展開の妨害」です。

相手の場にモンスターを出させない・残さない、モンスターの効果を使わせないためのカードです。

後者2枚の性質は「制圧・フィニッシュ」です。

そのカードをプレイされた時点でゲームを終了させられる、させられなかったとしても相手の立て直しを困難にするカードです。

ゲームエンド能力という意味では「ワンショットキルを助長するカード」と言い換える事もできるでしょう。

この2タイプは方向性こそ異なりますが、嫌われる理由は本質的には同じです。

もうお分かりの方もいらっしゃるでしょうが、「やりたいことをさせてくれないカード」だからです。

妨害カードはモンスターを使用するコンボのほとんどを途中で阻害し、フィニッシュカードはコンボパーツの除去やワンショットキルによってコンボが始動できなくなるためです。

カジュアルプレイヤーはデッキの動きを勝敗と同程度、人によっては勝敗以上に大事にする傾向が強いため、当たり前といえば当たり前ではあると思います。

 

まとめると「展開の妨害」「大量の除去」「ワンショットキルの助長」ができるカードは嫌われる傾向が強いです。

 

また、上記とは少々異なるベクトルで嫌われるカードがあります。

例を上げると《焔征竜-ブラスター》《ソウルチャージ》などがそれに当たります。

これらが嫌われる理由としては、上記の「カードパワーが高い」に当てはまりますが、最大の違いは「ワンショットキルを助長する」という理由以上に「頭をひねって考え出したコンボより手軽に強力な事が出来てしまう」というものがあります。デッキの意義を潰してしまうカード、という事ですね。これらはカジュアルにおいてはしばしば「使いたくないカード」という烙印を押される事が多いです。

先に挙げた「使われたくないカード」と同様の性質を持ちながら、対極に位置するカードです。

 

このように、一概に嫌われやすいカードといっても、それらにはいくつかのタイプが存在しています。

自分が苦手なタイプとそうでないタイプについて。また苦手なタイプとどのように接すのか。そういった事を一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

さて、続いて昔は嫌われていたが時代が経つにつれ受け入れられたカードと、逆に嫌われやすくなってきたカードについて少し見ていきたいと思います。

 

環境の推移と嫌われるカードの推移

遊戯王の環境は日々目まぐるしく変化していきます。

その中でも特に影響力の高いものが「新カードの登場」と「リミットレギュレーション改定」の2つです。

平均的なカードパワーが高まるに連れ、また禁止カードと制限カードの入れ替わりによって、今まで嫌われがちだったカードのパワーが相対的に抑えられ、妨害やエンドカードとしての役割を果たしづらくなる、またそれらのカードを受けても立て直しがしやすくなるためですね。

例えば上記の《ダーク・アームド・ドラゴン》は、強力な相方である《大寒波》の禁止化、《バトルフェーダー》《エフェクト・ヴェーラー》などの手札誘発の多様化による抑制、エクシーズ召喚の流行による墓地肥やし遂行速度の低下などの要因が重なり、一定のカードパワーを残しつつ徐々に脅威として認識されなくなり、遂には制限カードから準制限カードに緩和されました。

他にも《焔征竜-ブラスター》のように制限化することで不本意にデッキの主軸となる事がなくなり、デッキの本質を食ってしまうことなくアクセントとして活用できるようになったカードもいくつもあるでしょう。

逆に、環境の推移によって嫌われやすくなったカードとしては、相手ターン中に相手に干渉できるモンスターの増加で注目を浴びた《ブレイクスルー・スキル》や、制限解除によって全体除去が手軽に打てるようになった《激流葬》らがあります。

特に《激流葬》は、制限カード時代にはカジュアルにおける貴重な返し札、逆転の切り札というポジションであったのが、準制限→無制限と緩和されるに伴い段々と妨害札という側面が強く意識されるようになり、遂には「《激流葬》3枚積みは思考停止」とまで言われるようになっていったのは比較的記憶に新しいです。

 

皆様には昔嫌いだったカード、最近嫌いになったカードはございますでしょうか。

あるならば、なぜ嫌いでなくなったのか/嫌いになったのか、をこういった環境の推移と照らし合わせて考慮してみるのも面白いのではないでしょうか。

 

嫌われやすい札と嫌われにくい札

では、上記のような嫌われやすいカードと、性質は同様ながら嫌われにくいカードにはどのような違いがあるのでしょうか。

もう少し具体的になるようにカード名を挙げるならば、《神の宣告》と《タキオン・トランスミグレイション》はどちらも相手のカードを無効にする妨害札です。

しかし、前者はカジュアルにおいて敬遠されがちで、後者はそうでもない、むしろこれによって場が盛り上がることすらあります。この違いはなんでしょうか。

テキストから読み取れる差は「コストの有無」「発動条件の有無」「複数のカードに干渉できるかの有無」「特殊な発動条件の有無」ですね。

(「召喚を無効にする」と「モンスター効果の発動を無効にする」はここでは重要ではないので考慮致しません)

一番大きな違いはやはり発動条件の有無でしょうか。

《神の宣告》はセットしておけば勝手に発動の体勢が整うので、相手の動きを止めたい時や、最後の押し込みに使える「妨害札・エンドカード」としての側面が強いです。

一方で、《タキオン・トランスミグレイション》は「ギャラクシーアイズ」が場にいる時にしか使えないカードです。

発動するためにはデッキそのものが「ギャラクシーアイズ」を自然に場に出せるような構築である必要があり、出すことができれば体勢を持たず除去に晒されやすい「ギャラクシーアイズ」をこのカードで守ることができます。

つまり「妨害」よりも「エースモンスターの保持」や「エースモンスターのフィニッシュの補助」のための札という側面が強いカードである、ということになります。

一見同じような性質に見えるカードでも、このような観点で見てみると、その差が色濃く現れます。

ただし、あくまでどちらのカードも相手の行動を止めるカウンター罠、発動すれば結果的にどちらも「相手のカードを無効にした」という事実が残ります。

結果より過程に重きを向けるカジュアル・デュエルならではの傾向と言えるかもしれませんが、これが余りに高じてしまうと「《神の宣告》はダメだけど、《タキオン・トランスミグレイション》はアリ」というような空気・風潮が生じてしまいがちです。

私自身はこのような風潮は遊戯王多様性を損ね、デッキの可能性・成長を止めてしまうものであると考えておりますので、このような風潮をできるだけ減らし、どちらの側面も尊重できるような環境づくりを進めていくためにどのような活動ができるかが課題です。

 

少々話がずれましたが、もう一つ例を挙げて見てみましょう。

《強制脱出装置》と《No.101 S・H・Ark Knight》ではどうでしょうか。

モンスターと罠の差こそあれど、どちらも本質は「破壊を介さない相手モンスター1体の除去」であると言えます。

では、前者が妨害として、後者が返し札として見られる傾向が強いのは何故でしょうか。

この2枚の違いは「相手のターンに使えるかどうか」「使い切りになるかどうか」「妨害以外の使い道があるかどうか」「メインデッキに入るかエクストラデッキに入るか」等があります。

基本的に「相手ターンに使える」「使い切り」の2つを満たすものは妨害札として認識されやすいです。

逆に「使い切りでない」「妨害以外の使い道がある」ものは妨害札として認識されにくくあると思います。

《強制脱出装置》は「相手ターンに使える」「使い切り」を満たし、《No.101 S・H・Ark Knight》は「使い切りでない(効果使用後アタッカーなどとして使える)」「妨害以外の使い道がある(2回の破壊耐性のある2100アタッカー)」を満たします。

またメインデッキに入るものとエクストラデッキに入るものの違いも、シンクロ召喚登場以降は強く意識されるようになってきました。

エクストラデッキのモンスターは状況によって同じ組み合わせからある程度使い分けができるため、カジュアルでも「エクストラの選択肢を増やすことで対応できる範囲が増えるのはデッキの弱点が減って有益である」という見方が一般的のようです。

この両者の違い、皆様はどのように捉えているでしょうか。

 

本日のまとめ
  • カジュアル・デュエルにおいて嫌われやすいカードには、大きく「使いたくないカード」「使われたくないカード」の2種があり、さらに「使われたくないカード」には「妨害札」「制圧札」の2タイプがある。
  • 嫌われやすいカード、そうでないカードは必ずしも固定化されておらず、カードプールの推移リミットレギュレーションなどの環境によって変化する。
  • 同じ用途のカードであっても、個々のカードの持つ性質・側面によって嫌われやすさに違いが現れる。

 

あとがき

というわけで、「嫌われやすいカード」と「そうでないカード」の違いについて考察してみました。

今回はカジュアル・デュエルの中でもかなりシビアな話題であるため、皆様が本記事でどのような事を考えるのか楽しみである反面、相当数の批評、反論もあるのではないかと内心緊張しております。

また、私自身明確な違いを理解しておらず、半ば手探りの状態で執筆していたため、内容がいまいち伝わらない、言っている意味が理解できない方もいるかと思います。その点につきまして、ここでお詫び致します。

私もかつては嫌いなカードが多数ございましたが、今ではほぼどんなカードに対しても使うこと、使われる事への嫌悪感がないため、「嫌いなカードが多かった頃の自分」を思い出しながら本記事を執筆致しました。

このような観点からカジュアル・デュエルにおける傾向や、重視される要素・側面を考察することで、いずれ新たな発見や思考に繋がる事もあるかと思います。

それでは、本日はこれにて失礼致します。

 

ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン曹長、御誕生日おめでとうございます。