Casual Duel Consideration

遊戯王のカジュアル環境やデュエル動画についての考察記事を書いてます。

「負けない」デッキと「勝つ」デッキ

少々お久しぶりになりました、レオオオオです。

今回は最近遊戯王をやっていて思った事について簡単にまとめようと思います。

 

遊戯王の勝敗条件

今更言及するまでもありませんが、遊戯王では勝敗について3通りの条件があります。

念のためおさらいしておくと

・相手のライフポイントが0になった時

・デッキが0枚でドローをしなければならない時

・カードの効果による勝利条件を満たした時

ですね。

このうち、トーナメント環境・カジュアル環境を問わず、ほとんどのデッキで目的とされているのが、「相手のライフポイントを0にする」です。

理由としては、初期ライフポイントである8000という数字が、カードゲーム全体で見ても少なく設定されているため、最も勝利条件を満たしやすいというのが1つ。相手のデッキを減らすカードや、効果による勝利を行えるカードに強力なもの・使いやすいものがほとんど存在しないというのがもう1つでしょうか。

特に相手のデッキを減らす、いわゆる「デッキ破壊」と呼ばれる戦術については、相手のデッキが40枚であると仮定し、カードの効果でデッキ枚数が増減することを無視したとしても、デッキ40枚-初期手札5枚-通常ドロー数回でおよそ30枚前後を削らなければならず、現在のカードプールにおいてはライフ8000を削る事よりも早さ、安定性、継続性で勝るカードは数える程しかありません。(その数える程のカードは大体禁止または制限カードに指定されています)

また、相手のデッキを減らす場合、減った分のカードは基本的に「相手の墓地」か「相手の手札」に行くこととなります。遊戯王は手札・墓地を多用するゲームであるため、デッキのカードがどちらに行ったとしても相手にとってはメリットとなる事も珍しくありません。

そういったリスクも含め、相手のデッキを0にして勝つ事は大変難しく、トーナメントはもとよりカジュアルでも《精気を吸う骨の塔》を主軸とし、相手の攻撃を抑制しながら継続的なデッキ破壊を行う【アンデットデッキデス】や《ボルテック・バイコーン》を主軸とし、これを何度もフィールドに出してデッキ破壊を狙う【ボルテック・バイコーン】等、数えるほどしか存在していないのが現状です。

また、特殊勝利もデッキ破壊と同様に、(当然といえばそうですが)簡単に条件を整える事ができる手段がなく、ライフ8000を削るほうがはるかにスピードや安定性の面で優れています。

その一方で、デッキ破壊と比較すると、こちらのほうがビートダウンに追いつける可能性は高いです。

2012年の世界大会において、一般の部に【エクゾディア】が、ジュニアの部に【終焉のカウントダウン】が居た事は比較的記憶に新しいでしょうか。

 

相手のライフを0にするための手段

では、相手のライフを0にするためにはどうすればいいのか。

遊戯王においては、「戦闘ダメージ」と「効果ダメージ」の2種類の手段がありますね。

しかし、効果ダメージについては、1枚で高いダメージを与える事ができるカードが少なく、デメリットを内包するものも相当数あるため、効果ダメージのみで勝つ、という事も中々難しい状況にあります。

よって、半ば消去法的に戦闘ダメージによる勝利条件の達成が多くのデッキにおいて基準とされています。

ただ、全く効果ダメージが使われていないかといえばそうでもなく、過去には《ダーク・ダイブ・ボンバー》や《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》らによる高攻撃力と効果ダメージを織り交ぜた1ターンキルデッキがトーナメント環境においても存在し、またランク4を主体とするデッキでは相手のライフが800以下となれば《ガガガガンマン》の守備表示の効果による800ダメージで勝利できるといったように、戦闘ダメージで8000を削りきれなかった時の補助として効果ダメージにお呼びがかかる事はしばしば見られます。

効果ダメージによって8000を削り切るデッキとしては、かつては《連鎖爆撃》を用いた【チェーンバーン】や《マジカル・エクスプロージョン》を利用した【《マジカル・エクスプロージョン》1キル】【ドグマブレード】などがありました。これらのデッキはとにかく高速で8000ダメージを与えなければならないため、1ターンキルまたはそれに近いデッキとなり、主要カードが禁止・制限カード指定されやすいという側面もあります。

 

ライフによる勝利条件を満たすためにどうするか

と、戦闘ダメージによる勝利条件達成がポピュラーである理由について簡単にまとめましたが、今回の話とは特に関係がないのでこのくらいにしておきましょう。

今回の話は、記事タイトルにもあるように、ライフ8000を削る方法として、大別すると2通りの手段が存在するということです。

1つ目は、高い攻撃力や展開力によって相手より早くライフを削り切る事です。

ただモンスターを並べればいい、というわけでもなく、相手の場や手札にこちらの攻め手の邪魔となりうるカードがある場合に、それらを除去できる、またはそれらを使われた後にリカバリーがきくデッキであればよりよいですね。

ビートダウンによる1ターンキルデッキもこちらに当てはまります。

具体例を挙げると【甲虫装機】【聖刻】【混沌幻魔アーミタイル】【ワイト】などが該当します。

2つ目は、継続的な手札増強や除去・防御カード、場持ちの良いモンスターなどを駆使して、相手の攻め手がなくなるまで耐える事です。

自分の手札や場のカードを増やしたり、相手の手札や場のカードを多く減らす事で相手の息切れを待ってから攻める、いわば物量作戦のような戦い方のデッキです。

必ずしも相手のカードを除去する必要はなく、《スキルドレイン》や《ナチュル・ビースト》のように、相手のカードの使用を縛るものもこちらに該当します。

具体例では【除去ガジェット】【シャドール】【剣闘獣】【ゴーストリック】らが該当するでしょうか。

最近ではカードパワーの全体的な増加などにより、ある程度両方を並行して行えるデッキ等も時にはありますが、基本的にはビートダウンで勝つことを主眼としたデッキは、このどちらかを主軸として構成されております。

同じカードやカテゴリを用いたデッキでも、この違いで採用カードやプレイングに大きな差が現れる事があります。

この1つ目のようなデッキを私は「勝つデッキ」、2つ目のデッキを「負けないデッキ」と呼んでおります。1つ目のデッキは「相手より先に勝利条件を達成する」事が主目的であり、2つ目のデッキは「相手に勝利条件を達成させない」事が主目的であると考えているからです。

 

「勝つデッキ」で重要なのは「必要なカードの調達」「勝負を仕掛けるタイミング」「相手の妨害に対するケア」です。

「必要なカードの調達」は言わずもがなですが、基本的には展開するためのカードという認識が強いでしょうか。

例えば【甲虫装機】では《甲虫装機 ダンセル》《甲虫装機 ホーネット》、【ワイト】では《ワイトキング》《ワイト》が基本的に必要となるので、これらを手札・場・墓地に用意できる《甲虫装機 センチピード》《終末の騎士》《おろかな埋葬》《ゴブリンゾンビ》《ワン・フォー・ワン》などで調達してくる必要があります。

「勝負を仕掛けるタイミング」は、現在の自分の場・手札・墓地と相手のそれを比較して、攻めるためのカードを今使うべきかどうかを判断する事です。

特に1ターンキルを狙う場合はこのターンで相手のライフを0にできるかどうかの判断力が問われます。そのためには各カードの効果を熟知し、どのカードからどのカードにつなぐ事ができるかを考える事と、相手がしてくる妨害を予測して、それをされた上でどのように目的を達成するかの見極めが必要です。

相手の妨害に対するケア」は今述べたように妨害を使われた上でライフを削る事ができるかを考え、そのためのカードを用意しておくことと、相手の妨害用カードを事前に除去・消費させておく事です。

相手のセットカードを破壊する《サイクロン》《ナイト・ショット》、セットカードからモンスターを守る《禁じられた聖槍》、手札・墓地からのモンスター効果を封じる《深淵に潜む者》《透破抜き》、モンスター効果からモンスターを守る《スキル・プリズナー》《天罰》などを、使用用途に応じて採用することも大切な事です。

また《死者蘇生》のような汎用的な展開カードや、展開に必要なカードを2枚以上持っているような状況であれば、展開の途中で妨害を受けても立て直しが効く事もあるでしょう。

 

「負けないデッキ」で重要なのは、「アドバンテージの獲得」「モンスターの維持」「除去カード使用タイミングの見極め」です。

「アドバンテージの獲得」は言うまでもなく物量作戦を行う上で必須ですね。これをいかに行うかがカギとなります。構築の時点で相手のカードを減らす事と自分のカードを増やす事のどちらに主眼を置くのか意識しておくべきでしょう。

「モンスターの維持」ですが、如何に相手の攻め手を減らしても、こちらから攻撃する手立てがなくては意味がありません。また相手にカードを使わせるという意味でも出来るだけフィールドにモンスターが居続ける事が望ましいです。

必ずしも1体のモンスターを場に残し続ける必要はなく、継続してモンスターを供給できる手段があるのであれば十分です。

ただし、《D-HERO Bloo-D》や《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》などモンスター効果による相手の封殺を狙う場合は勿論それらの維持に全力を注ぐ必要があります。

「除去カード使用タイミングの見極め」は、どの除去カードを相手のどのカードに対して使うべきかの判断です。例えば自分が《激流葬》《次元幽閉》《強制脱出装置》の3枚をセットしていて、相手がモンスターを召喚してきた場合、そのモンスターにこれらのどれを使うのか、またはこれらを温存しつつ次の自分のターンにモンスターや魔法などで対応するべきなのか、この後相手が何をしてくるのかを考慮した上で判断を下さなければなりません。

 

当然ですが、「勝つデッキ」で重要な事が「負けないデッキ」では無視していい事なのかといえばそうではありません。どんなデッキでも多かれ少なかれ上記全てを意識しながらデュエルを進める事になるでしょう。

 

終わりに

そういう感じで、「勝つデッキ」と「負けないデッキ」について纏めさせて頂きました。

この呼称自体は私が勝手に使っているだけなので、違和感を覚えられる方もいるとは思いますがご容赦願います。

とりわけカジュアル遊戯王においては、自分のどのデッキがどちらに該当するのかを一つ一つ把握しておくのは重要な事だと私は思っています。

そうすることで、そのデッキにどんなカードが必要なのかが新たに浮かび上がってくる事もあるかと思います。

また、自分はどちらが得意なのかを把握し、得意でないタイプのデッキに手を出してみる事も上達や新たな発見に繋がるのでお勧め致します。

 

次回の更新についてですが、2月に行ったデュエル動画アンケート以来の企画を考えておりますので、それについての記事の完成を目指しております。

個人ブログという性質上、手探りでの企画実施となるので多くの時間を頂く事や運営に支障が出る事も考えられますが、それでも構わないという心の広い方がいらっしゃればお付き合い下さい。

それでは。