Casual Duel Consideration

遊戯王のカジュアル環境やデュエル動画についての考察記事を書いてます。

デュエル動画における「ルールミス」

関東地方でも降雪が起きる時期となりましたが、皆様つつがなくお過ごしでしょうか。

さて、今回はTCGというカテゴリにおいて最も身近かつ複雑な問題である「ルールミス」とデュエル動画との関わりについて考察をさせて頂きたいと思います。

 

ルールミスとは、カードを誤って使用することで、本来発生しない・できないはずの状態に移行してしまう事を指します。

時々混同されている方がおられるようですが、デュエルの進行において悪手となる行動を指す「プレイングミス」とは異なるものですのでご注意ください。

 

遊戯王ゼアルOCGをプレイされている皆様には周知の事実であると思いますが、そもそも遊戯王というゲームはルールが非常に難解、複雑であるゲームだと認知されている事が多いです。

「タイミングを逃す」という他のゲームでは余り見られない例外処理や、カードの発動に著しい制限がかかる「ダメージステップ」、また「複数のカードが同時に発動した場合」などの共通ルール、及びカード個別の処理における「類似テキストであるが処理が異なるカード」や「テキストから読み取れない処理、制約」等、本当に枚挙に暇がないという状態です。 

その結果、それらを利用した高度な戦略性が発生すると同時に、ルールミスが非常に生じやすいゲームとなってしまいました。

 

デュエル動画においても、ルールミスはしばしば発生しては様々な問題を生む悩みの種であると思います。

「 対戦内容はとてもよかったのにルールミスのせいで動画に出来なくなった」「投稿した動画にルールミスがあったためコメント欄が険悪な雰囲気になった」等が代表的な例でしょうか。

ルールミスがあった場合の対応は投稿者様によってまちまちであると思います。

それでは、デュエル動画においてルールミスとどのように接していけばいいのかを考えていきたいと思います。

 

ルールミスを減らすためにできること

「ルールミス」と一口に言っても、それが発生する原因はいくつか存在します。

まずは「正しいルールを知らない場合」です。

近年では遊戯王wikiを始めとした詳細にルール解説が書かれているWebサイトや、ニコニコ動画においても解説動画などが複数存在するため、「ルールそのものを知らない」というケースは大分減っているように見受けられます。

一方で「誤ったルールを覚えている」というプレイヤーの方が増加している傾向にあると感じられるようになりました。(あくまで、デュエル動画やオフ会で様々なデュエルを拝見してきた上での私個人の感想です)

どちらのケースにおいても、最良の解決方法は当然「正しいルールを知ること」になります。

遊戯王の公式Webサイトや、前述のWikiや動画での解説を見るなどがまさにうってつけの方法であるでしょうし、身近にルールについての造詣が深い方がいれば、その方に教わるのもよいでしょう。

大切なのは、一度で全て覚えようとせず、不明瞭な点がなくなるまで何度も確認することです。「覚えたと思っている」状態が、最も誤ったルールをそのままにしてしまいやすい状態です。

全部覚えるのは時間がかかって大変だ、という場合は「自分が使うカードに関わる範囲」だけに集中すれば、プレイをする上では十分でしょう。

「カードの処理が自分の理解を超えている場合は使用しない」という方法も、極端な方法ではありますが万全を期すという意味では選択肢に入る事もあります。

最も、カードプールを自ら狭める行為ですからその後それを理解しようとしなければ多様性が失われる事に繋がるので本当に究極の手段であると個人的には思っております。

 

もう一つは「カードの処理を忘れている場合」です。

特定のタイミングで発生する処理や、カードの発動に追随する制約及び回数の制約が代表的な例でしょうか。

前者は「《封印の黄金櫃》の手札に加える効果」「《星見鳥ラリス》のフィールドに戻る効果」「《焔征竜-ブラスター》の手札に戻る効果」など、後者は「《ゾンビキャリア》の除外される効果」「《強欲で謙虚な壷》の特殊召喚できない効果」「《スポーア》のデュエル中一度しか使用できない効果」などが挙げられます。

また「蘇生制限を満たしていないモンスターに《死者蘇生》を使用した」「通常召喚をニ度行ってしまった」などもこちらに該当します。

こちらのケースによるルールミスがデュエル動画においては非常によく見られるのではないでしょうか。

こちらの解決方法としては、第一に「テキストをよく読む事」です。

処理や制約は基本的にカードに記載されているので、それを常に意識するよう心がければ減らせるミスであると思います。

第二に「情報を視覚化する事」です。

前述の例で言えば、封印の黄金櫃のターン経過をサイコロやカウンターで記録しておく、通常召喚権を消費した時専用の目印を用意する等は比較的よく行われているようです。

また、私個人の方法ですが、召喚を無効にされたシンクロ・エクシーズモンスターや、効果を使用した《スポーア》などは、以下の図のように上下を逆向きにして墓地に置くことで誤った使用を回避するよう心がけております。

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そして第三に「第三者にデュエル進行を見てもらう」事です。

 デュエルに集中している対戦者同士では、見落としが増えてしまうのはある程度やむを得ない事であるため、動画撮影の際に進行を確認して貰う役割の人を立てておくとぐっとやり忘れによるミスは減らせると思います。ルールに造詣が深い人にその役割をしてもらうことが出来れば最良でしょう。

 

ルールミスが起きてしまったら

繰り返しになりますが、あくまで人間がプレイしているゲームである以上、ミスを100%なくす事は困難です。

では、いざ動画でルールミスが起きてしまったらどう対応するべきなのでしょうか。

これはミスの程度によってもある程度左右されると思います。

デュエル進行に影響がないミスの場合

勝敗結果に影響のないライフ計算のミスや、カードの発動・処理順を変えれば正しい結果になる場合です。

例を挙げると「《リビングデッドの呼び声》でモンスターを蘇生させ、《マジック・プランター》で《リビングデッドの呼び声》を墓地に送った後に(本来破壊されているはずの)蘇生させたモンスターでエクシーズ召喚を行った」という場合、先にエクシーズ召喚を行ってから《マジック・プランター》を発動すれば同じ状況となりますね。

こういったケースの場合、投稿者側は編集・動画説明文・投稿者コメントなどを用いて、「ミスが発生していること」「その後の結果・進行に影響がないこと」を明記した上で投稿する、という方法を取ることが出来ます。

勿論、ミスである事には変わりありませんし、それらのミスが結果には影響がなくてもプレイングに影響を与えた事も十分考えられるので、万全を期すなら投稿しないべきです。

一方、動画にそれらのミスが明記されているなら視聴者側もある程度大目に見る配慮は必要となります。

特に動画説明文にそれが明記されているなら、視聴を続けている時点で「ミスを把握あるいは了承した上で視聴している」事になりますし、動画を視聴する目的はデュエルの楽しさを共有することであるはずですので、あまり神経質にミスの指摘・批判等をすると、その動画に関わった人全員が不快な思いを抱くことになりかねません。

 

デュエル進行に影響があるミスの場合

先ずは投稿を控える事が最善です。

その動画に批判コメントが寄せられてコメント欄の雰囲気が著しく悪くなるだけでなく、投稿されている動画全体の印象を悪くする事態も考えられます。

しかし、ニコニコ動画においては「ニコニコミュニティ」という機能を利用し、コミュニティ参加者だけが視聴できるシステムが存在するため、没動画集としてそれらを投稿するという形をとっている投稿者様もある程度存在します。

コミュニティ及び動画説明に「デュエル進行に影響があるルールミスが発生している動画」である事を明記しておけば、それを了承した視聴者だけが動画を見ることになるので、そういった事態はある程度避けられると思います。

また、「進行に影響があるミスがあるものの、内容がよいのでどうしても一般投稿したい」という場合は、「ミスを明記、謝罪し、了承できる方のみ視聴下さい」といった注意書きを必ずしましょう。それに加えて、同じミスを起こさない姿勢を見せる等、誠意を持って視聴者と接する事が大切です。

ミスがある以上は投稿者側に非がありますが、あまりに注意書きを無視した批判が相次ぐのであれば、動画の削除や不適切なコメントの通報といった対応も必要です。

視聴者側は、「ミスが有ることを理解して視聴する」こと、「ミスを許容できないなら視聴をしないこと」がお互いのためには一番いいです。

視聴する場合はミスについて過度な指摘、批判を行わない事を心がけましょう。

投稿者が気づいていないミスを発見した場合も、同様に「ルールミスであること」だけをコメント指摘すれば十分です。既に同様の指摘があるならあえてコメントをする必要はありません。

 

それと、時折「ルールミスに対する批判コメント」を批判するコメントを目にすることがあります。好きな動画を批判されて悔しい気持ちは理解できますが、「荒らしに反応する人も荒らし」という言葉があるように、動画の空気を悪くするだけの行為ですので、その動画が好きな全ての人のためにもそういったコメントは控えるべきです。

 

 

後書き

以上、デュエル動画におけるルールミスとの正しい付き合い方について、私の考えを述べさせて頂きました。

前述の通り、本来であればミスのある動画は公開しない事が最善策ですが、ミスに気づかず投稿してしまう場合も少なくないと思いますし、没にするにはあまりに惜しい内容の動画もあると思います。

そういう時に、投稿者側と視聴者側の双方が一歩ずつ身を引いて対応することが、動画の雰囲気を悪くしない一番の方法であると私は考えております。

このような考え方がデュエル動画投稿者様及び視聴者様に広がり、視聴して気分を害する動画が少なくなる事でデュエル動画という文化がこれからもよい方向に広まり続けれることを切に願っております。

 

さて、今後は再び記事にするべき内容を見つける所から始まるので、更新頻度は不定期かつあまり多くないであろうことが予想されますが、どうぞ気長にお待ち頂ければ幸いでございます。

それでは、次回の記事もどうぞ宜しくお願い致します。